ABOUT THE MOVIE
映画『MANRIKI』とは、永野、斎藤工、金子ノブアキ、清水康彦を主要メンバーとする「チーム 万力」により製作された、ブラックコメディ映画である。孤高の喜劇作家・永野が22 年間地下ライブで、温め続けたコント群を脚本化、それを元に斎藤工プロデュース、音楽監督に金子ノブアキ、清水康彦が⻑編初監督を務めた。主要キャストは、主演を斎藤工が務め、劇団 EXILE に席を置きラッパーとしても活躍する SWAY、気鋭の劇作家である小池樹里杏、神野三鈴の洗練された演技力が加わるなど、多彩な才能が集結した。彼らは「チーム万力」としてクリエイティブ活動を始め、昨年のショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2018で発表した短編が注目を集めた。新しい発想でクリエイティブに向き合う彼らの強烈な表現は、挑戦でありながら、映画愛溢れるモノづくりの真髄とも言える。ジャンルもメッセージも観る者に委ねるこの作品を、異色と断ずるか、それとも楽しむか?
チーム万力が放つ初長編映画『MANRIKI』は、「ファッションイベントにゲスト出演したときに感じた違和感から着想した」という永野の原案・原作に、プロデューサー・齊藤工、監督・清水康彦のクリエイティブエッセンスが詰め込まれた作品。顔デカ、モデル、小顔矯正、日本文化、合コンで鼻が取れる女、サスペンス、ホラー、そしてコメディ......というキーワードの数々。キャストは、斎藤工が主演を務め、永野、金子ノブアキ、SWAY、小池樹里杏、神野三鈴など。さらに、金子ノブアキが担当した劇中音楽と、清水康彦監督の独創的な映像で、常識的観念にとらわれず自由なクリエイティブを実現した意欲作。世界中の方々に楽しんでいただきたいという「チームMANRIKI」の圧倒的なエネルギーで作られた。
アジア最大のファンタ系映画祭「第23回プチョン国際ファンタスティック映画祭」(6月27日~7月7日開催)にて、ヨーロッパ国際ファンタスティック映画祭連盟(EFFFF)アジア賞【EFFFF Asian Award】を受賞。【EFFFF Asian Award】は、アジアのファンタスティックジャンル映画の発展と宣伝を目的に設けられた賞としてEFFFFから選出された審査員が、その年の最優秀アジアファンタスティック映画を、World Fantastic Red部門からのみ選定する賞である。昨年は、日本でも社会現象となった『カメラを止めるな』が受賞。
第23回プチョン国際ファンタスティック映画祭では、「World Fantastic Red」部門に正式出品され、6月29日にプチョンにて映画『MANRIKI』ワールドプレミア上映が行われ、斎藤工、永野、SWAY、清水康彦が舞台挨拶を行った。
日本。秩序と混沌の国。美と醜の国。過度な経済成⻑で得た豊かさの代償として、国⺠は様々なコンプレックスを抱えている。醜きを覆い隠し、美しきことのように振る舞う。奥ゆかしさとも言えるその性は、この国の 様式美そのものなのだ。
整形しているモデルの方が仕事が多い。駆け出しのファッションモデルが仕事欲しさに小顔矯正を決意。美容クリニックを営む美しき整顔師に小顔矯正施術を依頼し、モデルは変身 を遂げる。整顔師の猟奇的哲学と万力によって・・・。ざる蕎⻨を食べたのち、整顔師はクリニックを去り、新たな野望の地へ向かう。場末の街で美人局をするフーテンと年増。彼らと整顔師が突如遭遇することにより、物語は加速してゆく。
光と闇。主観と客観。偽善と必要悪。美と醜。我々は、万力の間で暴かれる。
世は、人は、すでに醜く美しい。
INTERVIEW
- 斎藤工
- 永野
- 清水康彦 (監督)
斎藤工
- 今回の『MANRIKI』の企画は、製作会社や配給会社から軒並み断られたとうかがいました。
- 映画を作るとき、作品の大小問わず、当然予算がかかります。お金が動く以上は、相手の会社の企業理念も意識しないといけないわけです。すると、その理念が足かせになり、クリエイティビティに制約も出てくる。確かに主要な映画会社からはほぼ断られましたけど、僕には「この会社が作れないものを自分たちは作ろうとしている。過去に類似品のないものになるはずだ」という確証が芽生えて。逆に「これはいける!」と手応えを感じました。
- 永野さんの脳内を映画に落とし込むにあたって、プロデューサーとして意識されたことはありますか。
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永野さんは、たまたまコントという形で表現活動をされていますが、僕は永野さんを“芸術家”だと思っています。彼の単独ライブは、美術館で展示されている新進気鋭のクリエイティブ表現となんら変わらない。最初に見たときは、衝撃を受けました。とはいえ、僕には絶対に永野さんの精神世界をディレクションできません。でも清水監督ならできると信じていました。そして監督以外にも、プロフェッショナルが集まってくださって。例えば、撮影の荒井俊哉さんは、ファッションフォトグラファーの巨匠で、画角が非常にアート的。スウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソンが描くような、血の気のない世界というか……。そしてスタッフに共通していたのは、彼らにとって映画は“手法”でしかないということ。普段やりたくてもできない表現を、映画を通してアウトプットしている感じでした。
僕が思うに、『MANRIKI』は、ATG (※1) の映画の作られ方にとても近い。当時、新宿のゴールデン街で黒木和雄さんと原田芳雄さんが雑談をしながら「じゃぁ俺、金集めてくるから、お前出ろよ」みたいな勢いで映画を撮っていた時代です。『MANRIKI』にも勢いや熱があって、プロばかりなのにどこか夏休みの自由研究を彷彿とさせる現場でした。作業としてこなしている人が誰ひとりとしていなくて。しかも、撮影が終わった今も、熱が冷めていないんです。永野さんの世界観に、みんながみんな好奇心をもって浸っていた時間でした。もちろん振り返ると、企画が止まるなどハードな登山だったな、という感覚もありますが、獣道に轍を刻んだ日々は必然だったように思います。
- 今回、斎藤さんは製作だけでなく、主演もされていますね。
- 僕が演じた整顔師は、永野さんの分身というより、永野さんの中にある一つの側面を象徴化したようなキャラクターだと捉えていました。そして、この映画は、永野さんから企画が始まっている。僕は最初からそこに寄り添えていたので、台本を読んで役のイメージを膨らませて……という役作りはしなかったし、“演じる”という感覚もあまりありませんでした。
- 演じられた整顔師は、完全なる悪ではなく、善と悪、両方併せ持つ複雑なキャラクターでした。
- 永野さんが作るものには、人間誰しもがもつ、他人に見せたくない弱さをバネにして跳ね上がってくるようなものが多いんです。世の中に認知されたラッセンのネタも、実は人間の本質を描いていて、とても深い。見ているうちに「なんで僕のことがわかるんだろう?」と自分自身が浮き彫りになる感覚で……。僕が好きだと思う映画も、“自分と対峙させられる”作品が多い。僕から見たら、永野さんは、実に映画的なクリエイターです。
- 最後の独白シーンの解釈もさまざまに分かれそうですね。
- 僕が思うに、日本には、作品のテーマをキャッチすることが映画鑑賞の醍醐味だと思っている人があまりにも多い気がしていて。見終わったあと「で、何が伝えたかったの?」と探りたがるというか。そんな中『MANRIKI』は、観客が手がかりにする“価値観”というものが一切存在しない。たとえるなら、命綱がないままバンジーを飛ばされるような感じです。でも本来の映画はそうあるべきだと、僕は思っています。
- プロデューサーとして、今後の海外展開はどのように考えていらっしゃいますか。
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他の日本映画も、海外映画祭への参加にトライしていますが、僕はその先の“セールス”も視野に入れて活動していきたい。というのも、この間公開された主演映画『家族のレシピ』は、日本で公開される前に42カ国でセールスできて、黒字の状態で国内での上映がスタートしました。国内の枠組みだけで映画産業を考えると、どうしても順番待ちをしないといけない。そうした事情の中、逆輸入されての公開は、『MANRIKI』のような作品には真っ当な育ち方だとも考えています。
そして最終的に、『MANRIKI』に限らず、日本のシステムに縛られている監督の才能が解放されるようなルートを作りたいんです。そこには、海外で評価される名誉以上に、“採算を取る”という希望も乗せたい。海外でセールスが成立して、ちゃんと数字も明らかにして、きちんと監督やスタッフ、出演者に還元される仕組みを作れればと思っています。
- 今回の『MANRIKI』、そして年明け公開の監督作『COMPLY+-ANCE コンプライアンス』と、“表現”というものに対する斎藤さんの思いが刻み込まれた作品が続きますね。
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僕としては、表現に対する意思表示というより『シン・ウルトラマン』のようなメジャーとされる作品に出演しながら「え、そっちにも片足突っ込むんだ!?」というギャップ、矛盾の面白さを追求していきたいと思っています。きっと自分は“両輪”があるから前に進めている。今後も振り子のように、両方のフィールドを行き来していきたい。そういう意味で、今の僕は最高にバランスがいいんです。
※1:映画会社「日本アート・シアター・ギルド」のこと。60〜80年代、他の映画会社とは一線を画す非商業主義的な芸術作品を数多く生み出した。
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永野
- 『MANRIKI』は、永野さんの“小顔ブーム”への違和感から企画が始まったとうかがいました。
- “万力で顔がつぶされた女の人”というアイデアは、僕が売れてない頃からたくさん書き溜めていたアイデアの一つでしかありませんでした。よく僕の笑いは「闇がある」とか「卑屈さから生まれる」と言われることが多いんですけど、そうしたコンプレックスって流行らない感じもしていて。実際に、自分はラッセンのネタで“明るいキャラクター”として世の中に認知されましたし。
でもたまたま “万力”のアイデアを斎藤工くんに話したら、すごく盛り上がってくれて。今思うと、深層心理では、売れなかった頃の自分のアイデアを映画で昇華させたかったのかもしれません。ストーリーを書くというよりは、自分のアイデアをつなげて、奇跡的にうまくいった感じで。ちょっと気取った言い方をすると、『MANRIKI』は、一曲一曲、自分の思いをのせたアルバムみたいなもの。書き溜めていたものが財産に変わったのは、単純に嬉しいですね。 - 美に執着することへの恐ろしさから始まり、後半は、「正義とは何か」「人間の尊厳とは何か」といった深いテーマも描かれていきます。
- 長い付き合いで、今回音楽監督を務めてくれた金子ノブアキくんがよく「永野さんのネタは面白い。でも見終わった後、なんだか人間って切ないなと感じる」と言ってくれて。それを聞いて、映画には自分の怒りや焦り、疑問を込めないといけないんだと思いました。でも単なるネガティブな感情だけ押し通していたら、映画にならなかったとも思う。そこでさっきも話したように“小顔ブームへの違和感”という入り口を設けることで、工くんや清水康彦監督がわっと食いついてくれたんです。
- 『MANRIKI』を作るにあたっては、永野さんが心を開く作業が必要だったということですよね。
- 本当にそうですね。監督とは脚本のディスカッションをめちゃくちゃしましたね。ひとつのアイデアを掘り下げて、細部まで突き詰めてくれた。これが映像を撮る仕事なんだな、と刺激になりました。工くんとの仕事も本当に楽しくて。いくらおしゃべりしても通じない人もいるし、こっちが話す気なくなる人もいるし。でも工くんには伝わるんです。わざわざ「万力とは?」なんて話さなくても通じ合える。自分で言っちゃうけど、すごい関係だなと思いますね。僕もだいぶ毒素を出しましたが、工くんにとっても普段出さないような毒素を出す、デトックス効果があったんじゃないかな。
- そんな盟友とも言うべき斎藤さんが、小顔矯正を行う整顔師を活き活きと演じられています。
- 整顔師を“美しきサイコパス”として描くのには抵抗がありました。一方で、ハゲヅラを被らせて「どうだ、これが斎藤工の新たな一面だ!」とアピールするのも嫌だったんです。リアルに、自然に、表現したかった。でも工くんに演じてもらって幸せでした。劇中、工くんが一瞬、永野に見えたようなシーンがあるんですよ。劇中の口調もだんだん僕に似てきて……。工くんに伝えたら「僕は永野さんの精神を演じてると思っている」と言っていて、ドキッとしました。そうか、僕は自分の“心”を脚本にしているのか、と気づいた瞬間でした。工くん演じる整顔師は僕の分身であり、『MANRIKI』は自伝的な映画とも言える。まさに、自分にとっての『8マイル』ですね。そういえば、エミネムはあれ以降撮ってないですね……僕もそうなるのかな(笑)?
- “万力で顔をつぶされる”手術のシーンも見どころですね。
- 「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる妖怪みたいな不気味さは、清水監督と造形スタッフのおかげですね。それに、僕が好きな70、80年代の外国映画の特殊メイクの感じを出して欲しかったんです。CG全盛のこの時代に、わざわざ人間が作ったんだというアナログな質感にもこだわりたくて。
- 整顔師は、ちょっと荒々しい手法で世直しをしていく正義のヒーローという見方もできます。
- そうなんですよね。『MANRIKI』には意味なく人を傷つける狂気は全くなくて。それこそラッパーじゃないですが、アクションというよりは、すべて社会や境遇に対する“リアクション”で構成されているんです。出演の神野三鈴さんは、この「#metoo」運動の時代に、女性を“女”として扱う感じの語り口には少し驚かれていて「男の子が作った映画だよね」とも言われましたけど、僕の中では整顔師は “ヤバいやつ”ではないんですよ。というのも、彼は逃避行の最中、しだいにブレはじめるんです。これでいいのか、という葛藤が生まれる。映画的には、最後まで猟奇的な笑顔を浮かべて、サイコパスな犯行を貫くほうがカッコいいはず。でも監督とも話して「自分だったらどうなるだろう?」と考えたら、自ずとああいう展開になりました。
- ラストは、そんな整顔師の独白で幕を閉じ、余韻の残る締めくくられ方でした。
- 最初はもっとゴミのように扱われて終わるイメージだったんです。でも撮っていくうちに、監督が整顔師に対して愛情が芽生えたんですよね。「ファック!」みたいな終わり方もいいけど、映画として素朴なエンディングになって良かったと思います。
- 監督が「永野さんのコントには、映像が見える」とおっしゃっていました。逆に考えると、コントを考えるときに、映画や映像がヒントになることもあるのでしょうか。
- 結構あります。確かに僕のコントは、完全に映像的な作り方ですね。「戦争の悲惨さを見せられるキャバクラ」とか、変わったシチュエーションで生まれるドラマをネタにしていて、言葉もないときがあるし、なんなら笑いがなくたっていい!という潔さもある(笑)。映画もそう。セリフがなくても、画で見せることができますよね。そういう意味で、映像の仕事は自分に向いているのかも、と思います。
- さていよいよ劇場公開です。メッセージをお願いします。
- この作品を観た後輩芸人が「登場人物にろくな奴がいない。もうほんとに、クズの束。でも、自分も生きていていいのかなと癒された」と言っていたんですよ。嬉しかったですね。
お客さんにも、この歪んだエンターテインメントを食らって欲しい。観ているうちに自分と対峙して「お前はどうなんだ!」と胸ぐらを掴まれる作品になっていると思います。また、僕自身が子供の頃に観ていたようなザラザラした映画が帰ってきた!とワクワクしてもいます。『MANRIKI』は、僕の頭の中を全てお披露目する“発表会”。そして僕の分身を超人気者の斎藤工が演じているというギャップ。斎藤工を口説けてよかった(笑)! 早くお客さんの驚く顔が見たいです。
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清水康彦 (監督)
- 永野さんのコントをベースにした短編作品を何本か撮られたのち、今回初めての長編映画に取り組まれました。
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もともと僕は、お笑いや漫画、ゲームが好きで、映像の世界に入りました。
あるとき、地下の小さなライブハウスでやっていた永野さんのコントを見に行ったんです。お客さんは8人ぐらいだったでしょうか。もう僕には、永野さんが輝いて見えました。永野さんが見る世の中の角度は、みんなが目を背けている世界。永野さんみたいなことを本当はみんな考えているのに、他人に話したりなんかしたらイヤな人間に思われてしまう……そんな状況をネタにしているんです。そして、永野さんはネタのひとつひとつで“人間の真理”を描いている。描く人間像はしょうもないところを切り取っていたとしても、僕には美しいぞと思えて。僕にとって永野さんは、お笑いがアートになりうるんだと気付かさせてくれた恩人なんです。そうしておつきあいが始まり、2016年に、短編『手から光を出す魚屋さん』を撮りました。僕も永野さんも映画に関わってはこなかったけれど、(斎藤)工くんや金子(ノブアキ)くんは俳優として数々の映画に参加していて、めちゃくちゃ映画に詳しい。尊敬していた永野さんに加え、トレンドの中心に身を置きながら、日本の映画界、世界の映画事情、映画産業に対する情熱を持って仕事に取り組んでいる工くんや金子くんの姿勢にも感化されて、「このメンツなら映画を撮れるかも」と意識したんです。
- 今回の『MANRIKI』を撮るにあたっては、永野さんと相当ディスカッションをされたそうですね。
- さっきも話したように、僕は永野さんのコントをほとんど見ている人間なので、“顔を万力で締め上げる”というネタを軸に、過去のネタをできるだけ肉付けしていこうと思いました。永野さんが演じてきたすべてのキャラクターを借りてきて、散りばめていくようなイメージです。脚本の打ち合わせでも「あのネタのあいつ、やばいですよね!」「このシーンには、あのコントの設定を引っ張ってきましょう」みたいなやりとりをずっと続けていました。もう、永野さんのネタって、本当に面白いんですよ! そういう意味で『MANRIKI』は、永野さんの集大成的な作品になったと感じています。
- ただ企画段階では製作会社にも断られるなど、心の折れた瞬間が多々あったとうかがいました。
- 当たり前ですが「そうか、映画は簡単じゃないんだ」と痛感しましたね。でも工くんは、ふわっと終わることを決して良しとしなかった。「必ず成立させるんだ」という気概が強いんです。僕の心が折れて、熱が下がる度に「これは映画にすべきだ!」と何度も鼓舞してくれました。映画に限らず、いろいろなものづくりに携わっている方たちがいると思うんですが、チームの中に情熱を持った人間が何人かいないと走りきれないと実感しました。
- この映画は、“万力で顔を潰す”という、ともするとスプラッタホラーになりかねないのに、ギリギリそう見えないのは、監督の映像センスによるところが非常に大きいと思います。
- そうですね。例えば手術室のシーンは、通常のファンタスティック映画だと、暗くて寂れていて、血がこびりついた手術工具が転がっていて……みたいな描写が多いですよね。でも僕がもともとそういったジャンル映画に親しんでこなかったというのが大きいかと。顔が締め上げられていく描写は、物理的に難しい部分もありましたね。血がブワーッと吹き出るショッキングさより、ジリジリとした恐怖表現に重きを置きました。
- 斎藤さんのキャラクターについてはどうですか。
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僕にとって、あの整顔師は、永野さんの芸風をひとりの男に集約したキャラクター。永野さんのネタがもともと、「このコントを笑えない人間って小さくないか?」と問いかける踏み絵のようなもの。だから、この整顔師も、観客が自分と対峙させられるようなキャラクターにしなければと思いました。彼の「あなたはそのままで美しい」というセリフの裏側には、「自分の弱さや醜さを認められない人はつまらない人。それより、他に気にするところ、いっぱいあるでしょう?」というメッセージを込めています。
僕自身、映像を作り続ける中で、ホームランを打てない自分に葛藤した時期もあって。そんな時に永野さんのネタに出会い、自分の弱さを受け入れるしかありませんでした。醜いものにフタをして「俺はまだ背伸びしたい」「私は可愛く綺麗でいたい」といったような上昇志向を持ち過ぎていると、『MANRIKI』の世界を受け入れづらいのかもしれません。だって、そうした醜さから逃げる人 たちを整顔師はつぶしていくわけですから。
かと言って、ニセの美しさを断罪していく整顔師の全てが美しいかというと、そうではない。 こいつを生み出した罪はやはり大きいという事で、劇中で死んでもらうことにしました。
- 車に轢かれ、血まみれの整顔師を、永野さん演じる助手が抱きしめているシーンは美しかったです。カメラがぐーっと俯瞰していくと、血が翼のように広がり、神にも見えました。
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あの助手は、僕の中で永野さんそのものでしかない。永野さんの化身となった整顔師を本人にそばで見守らせたい狙いがあったんです。しかもそれが映画の中に立ち現れるという。たとえるなら『スタンド・バイ・ミー』を、(原作者の)スティーヴン・キングが見守っているみたいな(笑)。そして、映画の中には物語を考えた永野さんだけでなく、音楽を作った金子ノブアキも出ている。ちなみに、金子自身が音楽のことだけを考えてということで“目の見えない男”という設定にしました。映画の中でヒューマニズムを司っている人間と、ムードを音にしている人間が同時に出ている奇妙な設定。そんな映画があってもいいと思って。
小顔に執着する女性は、自分の真の美しさや醜さには気づいてない。それを隠そうとすることこそ が醜い。しかし、その醜い行為すら人としての美しさだとも言える。人はすでに美しいし顔をいじろうがいじるまいが関係ない。整顔師が言う「どうでもいい」んです。そこを伝えたいと思いました。
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TEAM MANRIKI
俳優のみならず、映画プロデューサーや監督などクリエイターとしても注目を集める斎藤工(齊藤工名義で企画・プロデュース)と、その独特の世界観で個性を放つ芸人・永野、さらにミュージシャン、俳優、音楽プロデューサーなど幅広く活躍する金子ノブアキ、音楽活動のみならず俳優としても活動するSWAY、映像クリエイター清水康彦という異色なメンバーが集い動き出した映像クリエイティブ集団“チーム万力”。
「数年前に新宿ロフトプラスワンで行われた永野さんの単独ライブに行き、膝から落ちそうになるくらいの衝撃を覚えた。我々がテレビ等のメディアで捉えている「ラッセンの人」的な芸人・永野さんは、氷山の一角の一角のそのまた一角に過ぎない。真の芸術家である永野さんの脳内に多角的に広がる果てしない人間の業を具現化出来るのは映画しかない。」(斎藤工)
”チーム万力”は過去に数々の短編作品を発表し、その独創性や破壊と創造のエネルギーに注目が集まっている。
過去発表作品
- 『LOHAS』2018年
- 出演者:永野 吉村和彬 人見千紘 野村梓二
- 芸人・永野のコント「イカになった先生」を原案に制作。原因不明の嘔吐が、山小屋の職員を次々と襲う。都会から来た男の、真の目的とは?
- 『宮本』2018年
- 出演者:宮本諒 永野 斎藤工 金子ノブアキ 他
- 町の一角にある建物に住む孤高の青年・宮本の元に、人々が訪れる。
彼は一体何者なのか。我々は、宮本の内に潜む「悲しみ」を、決して忘れてはならない。宮本が奏でるホルンの音が、人々の心に触れ、共鳴する。
- 『ZERO-焼きそばしかないキャバクラ』2018年
- 出演者:斎藤工 金子ノブアキ 永野 他
- 芸人・永野のコント「焼きそばしかないキャバクラ」を原案に制作。通い慣れた夜の店に、いつものように仲間と訪れる男達。しかし、その夜のその店は、様子が違っていた。何もない、、、、焼きそば以外。
- 『DEATH BIKE』2019年
- 出演者:斎藤工 永野 SWAY パーティ内山
- 孤高の芸人・永野のコント「俺の弟のバイクがあんた轢きたがってるぜ」を原作にした短編作品。
サッカーかぶれの2人組と、孤高のバイク兄弟のやり取りを通して、人間の心の奥底にある虚栄心を描く。
今年のSSFF & ASIA 2019にて開催された「チーム万力presentsショートフィルムの未来地図vol. 2」では、
さらなる新作短編作品『DEATH BIKE』ととも、『MANRIKI』短編版を発表した。
COMMENT
敬称略・順不同
- アーティストCHARA
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音楽カッケーと思ったらあっくんで。 工って変態。と思ったら脚本が永野さんだった!
でも、面白いの。でも、ちょっと怖いの。
- パフォーマー/俳優岩田剛典
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終始スタイリッシュかつ不気味な世界観。人間の欲望を浮き彫りにしているのに、何故か笑える。狂気とユーモアに満ちた斬新な映像美と音楽。チームMANRIKI、すごい!
- モデル/アーティスト西内まりや
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衝撃、衝撃、衝撃の連続。残忍なのに何故か心にスッと届く何かがあって言葉に表現できないほどの美しさや悲しみの感情になりました。現代社会を生きる私には考えさせられる作品でした。時間が経っても頭の片隅でずっと考えてしまっていてまたあの世界に行きたくなる。そんな中毒性のある世界です。斎藤さん永野さん金子さん、とにかくこの制作チームの稀有な才能には脱帽です。日本だけではなく世界中の人々に観て欲しい作品です。
- 映画監督三池崇史
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破壊者か!? 救世主か!? メッセージはしっかりと受け取った。観て鳥肌たてろ!
- 「全裸監督」のモデル村西とおる
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「MANRIKI」というタイトルに、足の付け根の締めます締めます山手線、の映画かと思いきや、非常に哲学的で深い映画でございました。 斎藤工さま、ナイスな色男です。そして、ファンタスティックな永野さまの舌使いにシビレました。
- 映画監督飯塚俊光
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どこか懐かしくもあり、新鮮でもある。
大人の事情が介在しがちな昨今、何にも媚びずに映画を作った姿勢が何より痛快だった。
- 映画監督清水崇
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誰もが鑑賞しやすく行儀良くまとまった映画ばかりの日本で、こういうチャレンジングな映画を成立させたことが本当に素晴らしい。ほくそ笑みながら観た。この映画を観たお客さん達の反応を観て、また笑いたい!
- 作曲家菅野祐悟
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斎藤工さんは、おそろしい役者だ。
「昼顔」で演じていた北野先生のような、あの儚さと切なさを共存させた男の姿はもはや見る影もない。
狂ってる。。
そして金子ノブアキさんの音楽もやばい。ドラムをエディットしたサウンドは、メロディーが一切ないにもかかわらず強烈に脳味噌に刻まれる。音楽で一気にデヴィッド・リンチの世界に引きずり込まれるような錯覚に陥った。
この映画は劇薬だ。それなりの心づもりでご覧いただきたい。
僕は未だに、トラウマレベルで頭の中をグルグルしている。
- アーティスト夏目花実
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とっても奇妙。とっても不気味!だけど、とってもリアル。
奇妙で変態な世界を覗かせてもらっていると思いきや、実は隅々まで私の生きている日本の世界でした。
本当の親切だったり、本当の友情だったり…もしスマホにカメラが無かったら、 SNSが無かったら、その親切、その友情は本当に存在していますか。
本当ってなんだろう?映画の不気味さが日常そっくりで、結構食らっちゃいました。いい意味です。 ラストは物凄い角度から優しさに包まれてしまいました。 自信ないけど、私このままでいいのかもしれない。
- ファッションデザイナー芦田多恵
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現代社会を支配する表層的な価値観と死生観
そんな薄っぺらな時代を平然と生きる現代人を成敗するのは天使か悪魔か?モードを感じる映像の中で繰り広げられる狂気の世界にいつの間にか引き込まれ…万力の衝撃からもう誰も逃れられない!
- 人形映画監督飯塚貴士
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予測不能のトリップ映画体験!!!
人間とは? 社会とは? 世界をどう感じ、どう捉えているのかを問いかけられた気がしました。
- ドキュメンタリー監督松江哲明
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嗅いだことのない匂いを嗅いでるような上映時間でした。映画が作り物であることを自覚し、それを面白がっている作り手たちに勇気付けられたような気持ちです。ありがとう!さらに齊藤工の漏れすぎてる“闇”におめでとう!
- 映画監督阪元裕吾
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なんだ!この映画は!!面白い!!!
こんな日本映画は観たことがない!!!!
不謹慎なギャグに笑い、斬新なストーリーテリングに驚いた。
主人公は正真正銘のサイコだけど、思わず「頑張れ!」と応援したくなった。サイコが頑張る映画は面白い!
- 俳優・映画監督榊英雄
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芸人そして、素敵な俳優 永野の世界に監禁された!
チーム万力、いいなあ、現場楽しかっただろうなあ。
「俺たちはこういう映画が作りたいんだ!」という情熱と志がヒシヒシと伝わってきた。
愛すべきクレイジーチームが作った素晴らしい映画だ。
- テレビ東京 プロデューサー濱谷晃一
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毒と笑いに溢れる、超攻めた映画です!
しかも、"攻めてる"という言葉では片付けられない、底知れない"何か"を感じました。
観てはいけないものを観ている、そんな背徳感に満ち満ちてました。
さすがに、テレ東でもOAしたら怒られそう…。
- コピーライター/作詞家阿部広太郎
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自分を好きになろう。肯定してあげよう。ポジティブに生きよう。そう生きれたらいいと思うし、そう思える人が増えるのはいいことだ。けれど、光にたどりつくためには、その真反対にある影だって知る必要がある。人が目を背けること、それなのに気にすること、映画の中で力いっぱい解放されていた。それが痛快だった。
- 映画ソムリエ東 紗友美
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この映画に、顔ではなく"ココロ"を矯正させられた。グイグイと。
骨太な才能集団に、思考停止させられました。SNSの奴隷が散漫し"美"が至上価値となってしまった現代。
女たちは顔を簡単にいじるようになった。
切ったり貼ったりしなきゃなんでも良いのか。参りました。
気付きました。
わすれてました。顔が変わっても、
心が変われないこと。現代社会の闇辞典に、
この映画丸ごとのせちゃいたい。
- 映画評論家松崎健夫
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社会の不寛容に対する忿怒が利己的な現代人を断罪。ラストで背筋が凍るのか?それとも嘲笑するのか?我々は永野に試されている。
- ドラァグクイーン、アーティストヴィヴィアン佐藤
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万力の動力、電気椅子の電力、そしてエーテル体の霊力。。
エネルギー変遷の進化と循環を、集団生活と自意識を本能にもつ滑稽で哀しい人類史を、因果の限りない反復を、88分に圧縮して見せたわ!!!
- 映画監督『あいが、そいで、こい』『喝風太郎!!』柴田啓佑
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何層にも重なるイマジネーションでぶっ壊す強烈なパワー。視覚で認知した映像と聴覚で受容した音楽、そこから生まれる感情とのアンバランスさ。『MANRIKI』の「破壊」と「創造」を刮目して欲しい!
- 映画監督エリック・クー
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Talented Takumi Saitoh continues his journey of creative exploration ... this time he's back as a producer!
- 映画アドバイザーミヤザキタケル
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この世に蔓延る悪しき風習や歪みを、目に見えぬ枷に囚われ道を彷徨う現代人を、万力を用いて物の形を変えるが如くブッ壊す。いや、より良き形へと変革させる。そんな願いが込められた『MANRIKI』及び“チーム万力”なのだと思えた。
その気高い精神があるからこそ、混沌とした世界観においても見出せる勇気が、痛みやリスクなくして変えられない現実が垣間見えてくる。そして、変革を果たすのはスクリーンの中の彼らではなく、今を生きる僕達なのだとバトンを託された。狂気の中に希望を孕んだ怪作が今ここに誕生した。
- HYKEデザイナー吉原秀明
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個性と才能のカオス。枠にとらわれない人たちが集結し、枠にはまらない作品が生まれた。
- 映画監督/脚本家佐藤佐吉
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こんなコワイ映画見たことない。こんなオモロイ映画見たことない。MANRIKIが全ての《くだらない》や《つまらない》を破壊する。とにかく皆さん、斎藤工には気をつけろ!
- LeaR株式会社 代表取締役
/クリエイティブディレクター小橋賢児 -
この世に相対性という言葉があるように美しいものを見るだけでは気づけない事がある。この作品はまさにみたくない現実を見させる事で、真の気づきを与えてくれる気がした。
- HYSTERIC GLAMOURデザイナー北村信彦
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イケてるミュージックビデオの様な変態妄想暴走ムービー!こんな感覚 初めてDEATH。
- ミュージシャンホフディラン 小宮山雄飛
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「あれ、これって全キャラクター永野さんが一人で演じてるの?」
と思ってしまうほど、全編に永野さんの魂が宿った傑作。
チーム万力、僕も入りたかった!
- 映画解説者中井 圭
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その上っ面からは想像できない、ニコラス・ウィンディング・レフンの映画を観るような、規格外のアートフィルム。
- 俳優岡山天音
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登場人物、展開、画、台詞どこをとってもマトモが見当たらない。摩訶不思議な引力に振り回されっぱなしの鑑賞でした。迷子になる事がこんなに楽しいなんて。
- 株式会社TENGA 代表取締役社長松本光一
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車の整備士をしていた頃、同僚と度胸比べで、万力で頭を締めたことがあります。
実際に万力で頭を挟み、締めつけていくと、いつ破裂するかという恐怖心でいっぱいになります。
しかし同時に、どこまで締められるかという好奇心も湧いてくる。
そんな恐怖と好奇の境界線を行き来する快感を、この映画に感じました。そして斎藤工さんは、僕にないものを全て持っている。
危険な香りのするジャスティス。
- モデル/タレントアン ミカ
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人が見たくないところ、見ようとしないところをしっかり見せられた、シュールで独特の悪夢のような展開。
他者からの評価、人が決めつけた常識、偽善的な善悪の価値観、すけべ根性、それらを敢えて見せることで、そういったことに捉われる自分を馬鹿馬鹿しく感じ、手放すことができる作品です。SNSで周りと比較し自分を見失いがちな今、小顔にこだわる女性の深層心理の奥の奥を見透かされている感じが、恥ずかしくもあり、爽快で気持ち良くもありました。
私たちは一人一人、狂気を持ってるけどまともな仮面をつけて生きている。すっごく歪んだこの映画を見て、歪んでても醜い部分があっても、それも人間だと認められる気がしました。
- 映画監督・小説家青山真治
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現代社会にデヴィッド・リンチ的想像力と
サム・ライミ的造形力を注ぎ込むとどうなるか。
今後さらに期待したいと思います。
- 女優とよた真帆
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全員の変態性があいまって、不思議な世界に放り込まれた。
是非シリーズ化お願いします。
- アートディレクター秋山具義
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永野の書く変態なストーリー、斎藤工の超クールな怪演、金子ノブアキの追い詰めてくる音、怖くて、面白くて、ヤバくて、アートで、素晴らしかった。
- シンガーソングライター宇徳敬子
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『あなたはそのままで美しい…』
このセリフが映画のすべてを表しているかのよう…
そう率直に感じました。
あるがまま
ありのまま
生まれたままのあなたは
内面からの輝きに気づけば
神化して人生は昇華する。
- 女優桜井ユキ
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生温い恐怖みたいなものがずっと付き纏ってくる。なのに終始この世界に魅力されていました。そして、役者として嫉妬心すら覚え、自分の色々感情を掻き立てられそしてかっさらっていきました。圧巻。
- 映画監督・脚本家「タイトル、拒絶」「全裸監督」山田佳奈
-
なんて最高な悪夢なんだろう。
無意識からのサイケデリックな警告。
生暖かい冷や汗を流しながら、ハっと飛び起きても続くファッショナブルな欲求が我々に迫ってくる。
ねえねえ、どうせあんたも同じ人間やってんでしょ?
わたしだって綺麗になりたい愛されたい。じゃ耳元でささやいてあげる。まじそれってダサいわ。
嗚呼、クレイジー。この映画になら殺されてもいいかもしれない。
- 女優秋山ゆずき
-
MANRIKIの世界にいつの間にか引き込まれていて
気づいたら匂いまで想像してしまいました。
猟奇的なのに可笑しくて最高でした!
- BUCK-TICK櫻井敦司
-
「拝啓
初めまして永野様 いつも応援して頂いてありがとうございます。
この度は映画 “MANRIKI" 公開おめでとうございます。
楽しく観させて頂きました。
ありがとうございました。
パンクでそして、とてもCuteに感じました
沢山の方が劇場に足を運んで下さいます様に。
寒さが厳しくなってまいりました。
どうぞご自愛下さいませ。
敬具
追伸:
群馬ナンバーのCedric、イイクニ泣けました。
次回は是非、”爆竹” Tシャツをお願い致します。
さあ、 “はじまるわよ” 」
- Photographer/Film DirectorLeslie Kee
-
日本でなかなか見れない邦画、
これはマジやばい!
QUENTIN TARANTINO
に絶対見て欲しい!
次は彼とコラボして、
MANRIKILL BILLの誕生に期待!
本当に最高のメッセージ、
感激、感動、感謝!
Love myself, love ourselves, love this world together !
- 映画監督菊地健雄
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この映画には、初期のクローネンバーグにも通じる「見てはいけないものを見てしまった」感じが溢れている。この感じは、自分にとって映画を作る初期衝動ではなかったか。そうだ。僕はこの感じが見たくて映画に関わり始めたのだった。この狂気と笑い、最高です!
- 漫画家山本英夫
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各シーンに現代への皮肉がブリブリ。
クスクス笑いが残ってまう。
- 漫画家東村アキコ
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「永野さんが脚本ってことでなんかおふざけ映画なのかなとそんなに期待せず観始めたら(永野さんごめんなさい)これがすごく面白かったんです。映像もカッコいいし、ストーリーも昔のカルト映画みたいでオシャレ不気味って感じ。これは令和日本版時計仕掛けのオレンジ!?こういう映画最近ないからなあ〜 昨今のゆるふわデートムービーじゃ物足りないあなた、必見です!
- 女優板谷由夏
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MANRIKIの斎藤工は美しい
永野さんの頭の中も美しい
美しさを感じて興奮が残る
人間の儚さも同時に
- 女優・監督小川紗良
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欲望の紫色が脳みそに塗りたくられる。かわいくなりたい、スタイルを良くしたい、お金が欲しい、素直になりたい、愛したい、愛されたい…。人の欲する姿って、どうしてこんなに面白いんだろう。気づけば心は一緒になって、万力を握りしめていた。そう、もっと、もっと強く。そのハンドルを決してゆるめないで。